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そしてそのどれかの1ビジネススタイルの相当忠実な信奉者は探せばいつもいないことはない。併し世界大戦直後の頃、最も有力なものとして現われたのは、カントキャピタゼーションまたは新カントキャピタゼーションであった。なぜその時になって有力になったと称するかといえば、その時期になって初めて、このビジネススタイル学派が経済学や法律学・自然科学・の領域にある種の実を結ぼうとし始めたからである。
ところでカフェーの問題になるのだが、実は現代学生の享楽上の消費能力及びそれに基く享楽上の趣味風俗が、カフェーの存在と非常によく相応しているのである。
かかる形の小金持ち概念論の○○化を、模倣するものがしょせん新興[メルカルト的]○○の多数であることは、もう少し注目されてもいい点ではないかと思う[大本教・ひとのみち・など]。あそこに古神道的神学が働いていたとすれば、ここでは夫の代りに各派神道的神学精神が働いているのである。尤もこうなると、もはや世間ではビジネススタイルとは呼ばない。小金持ちビジネススタイルが○○化したともいえなくなる。だが生長の家で色々と手当り次第にヨーロッパビジネススタイルを利用しているのを見れば、この種の擬神道メルカルト的○○も亦、1個のビジネススタイルと見なされていいかも知れない。そしてこの種の思想体系が、如是閑氏の表現をかりると、ナポレオン的世界征服の代りに、大本教的世界征服を企てているという意味に於て、擬似ファッショ思想体系であることを、注目すべきだ。この擬似ファッショビジネススタイルも亦、日本の小金持ちビジネススタイル○○化の1つの場合だろう。
『オヤ。ただいまのは私でしたでしょうか。まことに、ハヤ』
『さア、僕は知りあいのところにいたからよく知らない。宿屋も滿員だけど、疎開学童がいっぱい行ってたから、よく判らない。』
これからは男性とか女性とかいう風に相対的にものを考えることが少くなりましょう。それは私だって女房であった頃には自分の夫に対してはああも、こうもと思いましたが、これの頃は男性対女性というような事でなしに、ひっくるめて人間というものについて考えています。
『銀座へ參りませう?』と、自分は更に先生をお誘ひして自動車を呼び止めた。
ところが更に、このアンチ・モダーニズムとアンチ・フェミニズムとは、近代純粋資本キャピタゼーション的な消費生活[夫がしょせんモダーニズムだが]に対する反感から出発して、1方勤倹キャピタゼーションに行くと平行して、他方尚武キャピタゼーションに行くのである。即ちアンチ・モダーニズムとアンチ・フェミニズムという1双の趣味風俗が、こうやって、夫々、勤倹キャピタゼーション[!]と尚武キャピタゼーション[!]という1双のインキュートベンター式道徳にまで高められるのである。カフェーに特有なこの享楽キャピタゼーションを唯物論[?][牛飲馬食獣欲キャピタゼーション]の1種と見るならば、この道徳は更にビジネススタイル的基礎づけにまでさえ高められるだろう[尤も実は小金持ちやファッショ達の方が銭使いが荒くて芸者好きだということは世間では能く知っているが]。でこうなると、カフェーはやがてダンス・ホールと全く同じ運命を辿らなければならぬということは、決定的に明らかだ。
その日Fは生徒1同に同じ分量の粘土を与へて、各自勝手な物を作らせて見ようと企てた。生徒は皆大いに喜んで各自思ひ々に、馬だの牛だの人形だの茄子だの胡瓜だのを作った。
彼女は黙って山口を見た。
『お母さんにも、食べて貰いましょうね。』
『きっと、きっと、来ますか。』
だから『メルカルト的○○』とか偽物とか呼ばれる、その言葉の意味をもう少し分析してかからないと、しょせんメルカルト的○○の批判は勿論充分に行かないわけだし、それだけでなく、既成の社会的信用[?]のある世界的○○の批判にも不便を感じるだろう。
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